新社会人に言っておこう。名刺管理の話。

2015/03/30

ライフハック

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 まぁ、別に新入社員じゃなくてもなんだけど、大量に発生する新入社員に今から言っておこうかな的な話をざっくばらんテイストでまとめてみようかなと。

 名刺管理をしたいなって思ったときに、まずやるべきことは、雑誌とかWeb媒体とかBlogとかで言われている「これをしろ」「このツールを使えばOK」的な記事はまず忘れること。まー、これもBlogなんで、のっけから自己否定だけど、あんまり人の言うことを鵜呑みにするなよって言いたい。

 忘れちゃいけないのは、名刺管理なんて単なる手段でしかないってこと。なんのために名刺管理をするのかという目的から考えていかないとダメ。この「目的から手段を考える」というのができるかできないかで、10年後20年後に年収に倍以上の開きが出たりするから、こういう細かいことでも目的から考える癖をつけておいた方がいいと思う。

 あと、社会人生活というのは想像以上に長く続くことも忘れちゃいけない。今22才で社会人になった人は50年ぐらい社会人をすることになる(残念ながら定年年齢は今よりずっと上になる)、当然、その間には様々なことがある。ヒマなとき、忙しいとき、楽しいとき、つまらないとき・・

 自分の経験で言うのなら「名刺管理をちゃんとしよう」と考えるときというのは、たいていヒマなとき。スキャンする、会社順に分ける、インデックスを作る、会議録をつけるとか色々考えてトライしてみたりした。

 ところが、残念ながら、ヒマなときに考えたやりかたというのは、忙しくなるとたいてい破綻しちゃう。しかも、皮肉なことに名刺というのは忙しいときほど大量にやってくる。

 プロジェクトの準備にかけずり回り、ようやくキックオフ会議までこぎつけ、毎日朝から晩まで社内外とミーティングをして・・で、数ヶ月後には数十枚の未入力名刺が名刺入れやデスクに溜まっているわけ。さあ!これを整理しよう!とモチベーション高くできる人はすごいと思けど、ほとんどの人は挫折しちゃう。

 なので、まず「名刺を使って何をしたいか」を決めて、どんなに忙しいときにでもできる運用で最低限の管理をするというのがいいと思う。



変わってしまった名刺の役割と変わらないソリューション



 ところで、いただいた名刺ってなにに使うんだろうか?

 私が社会人になった20年ぐらい前、取引先に連絡をしようと思ったら、自分で書いた手書きのアドレス帳か、保管しておいた名刺で相手先の情報を探して電話をするぐらいしかなかった。訪問する場合も相手の名刺に書いてある住所と地図が頼り。今の若い人には信じられないかもしれないけど、営業する人間は全員ポケット地図を持っていたような時代だった。そんな時代だから相手の名刺ってものすごく大切だったし、その情報を書き写したアドレス帳は社会人としての財産みたいなものだった。「ザウルス」とか流行ったのがこの時代だよね。

 ところが、今は全然違う。取引先との連絡はほとんどがメールになって。電話番号を探すのも相手のメールの署名見た方が速かったりする。相手の住所もウェブサイトに書いてある地図やGoogleMapでOK。

 この20年、ITによってビジネスコミュニケーションが変わっちゃったので、日常のビジネスにおいて相手の名刺情報を参照することがほとんどなくなっちゃったんだな。ところが、世の中の「名刺管理」ソリューションの思想って20年前と大して変わっていないんだよね。いろいろ機能がついたり便利になっているけど、設計思想は昔のまんま。これじゃうまくいくわけないよね。

コンテキストとセットだから意味がある名刺情報


 今、名刺ってどういうシチュエーションで使うかというと、日常業務ではなくて、人脈を掘り起こすときだと思う。「そういえば、あんな人がいたけど、今度の仕事で使えるんじゃないかな」とか、「あのときに名刺交換したあの人に声かけてみよう」とか。

 ただ、そういった機会って頻度的には低いし、実際にそういう状況になったときに単に名刺だけあっても難しい。「この人とこういう話した」とか「こういうシチュエーションで名刺交換した」とかのコンテキストが重要。一番無意味なのはコンテキストがない名刺。長く社会人やっていると「この人どこで会ったんだっけ?」とコンテキストが思い出せない名刺が大量に貯まってくるんだけど、残念ながらこういう名刺は持っている意味がまったくない。いつ、どこで、どういった内容で・・といったコンテキストが濃密であればあるほど名刺は意味があるんだ。

 そういった意味では、Evernoteあたりから名刺管理をスタートしてみるというのも手だと思う。Evernoteのモバイルアプリの名刺の読み取り精度は正直今ひとつなんだけど、とりあえずサクサクとアプリで読み取れるのは強い。そして、打ち合わせの議事録を常にEvernoteで残しておくようにすれば、あとは好きな言葉で検索すれば議事と名刺情報が一発で検索できる。「この人と何話したんだっけ?」と、名刺から打ち合わせの履歴を検索するもよし、「この会議で会ったこの人に連絡しよう」と、議事録から名刺を検索するもよし。とにかく溜めるだけ溜めておいて後で検索するというふうにしておけば、忙しいときでも無理なくできるし、なにより長続きすると思う。


まとめ


 ○名刺管理に余計な時間をかけてはいけない
 ○暇なときに考えた手法は忙しくなると破綻する
 ○コンテキストとセットでなければ名刺情報は無駄

こんな感じかな。

なんども言うけど、長続きのコツはゆるゆるやること。

社会人生活は長いんだから、あせらずコツコツゆるゆるとね。

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